社会人受験生の最初のハードル

看護師になるためには、まず看護学校に入学するという最初の試練があります。

社会人から看護師を目指す方にとっての最初の難関が、この受験勉強対策ではないでしょうか。

私自身も看護学校受験を決めたときは大学を卒業してから4年ほど経っており、その間勉強する習慣も一切なかったので「何を勉強すればいいの?」「どんな科目が必要?」「小論文や面接対策はどうしよう?」「現在の仕事を続けながらの勉強で間に合うの?」と不安になりました。

私は、社会人入試ではなく現役の受験生と同じように一般入試で受験し、入試直前の12月中頃まで正社員での仕事を続けながら、予備校に通わず独学で第一志望の学校に合格できました。

必要な受験科目は?

まず一般的な学校別の受験科目を知っておきましょう。

学校種別 一般入試の主な科目 社会人入試の主な科目 特徴
看護大学
(4年制)
国語・英語・数学(IA)・
理科(生物等)から2〜3科目+面接・小論文
小論文・面接+適性検査
(または英語・国語)
科目数が多く、共通テストを利用する場合も多い。
看護短大
(3年制)
国語・英語・数学(IA)から2科目+面接+小論文 小論文・面接 大学より科目数が絞られる傾向にあるが、設置数が減少傾向。
看護専門学校
(3年制)
国語・数学(I)・英語から2科目+面接 小論文+面接 実践重視。社会人入試は学科試験がない学校も多い。

一般入試では、国語・英語・数学(IA)+面接が課されることが多く、
社会人入試では、小論文+面接を科される学校が多いといえます。

私自身は、受験した学校には当時社会人入試制度がなかったため、現役の学生と同じように一般入試の勉強と面接対策をして受験に臨みました。看護学校の受験科目の特徴として、面接を課す学校が非常に多いことが特徴として挙げられます。

そのため一般入試では、筆記試験に加えて面接対策も並行して行う必要があります。
また、一般的に社会人入試は一般入試よりも時期が早めに設定されていることが多いので、社会人入試で合格できなかった場合を想定して、社会人入試対策と一般入試対策の両方を視野に入れて行動することをおすすめします。

社会人受験生が知っておくべきポイント

社会人受験生は、家庭がある方や子育てをしながら、仕事をしながら受験対策に臨まれる方も多く、現役受験生と比べて勉強時間の確保や勉強に集中できる環境を整えることが難しいと悩まれる方も多いのではないでしょうか。

そのためやみくもに勉強するのではなく、まずは入試スケジュールと受験対策のポイントを把握した上で計画を立てて進めていくことが重要です。

一般的な入試スケジュール

学習計画を立てる上で、各入試区分ごとの試験時期を把握しておくことが大切です。

試験時期が分かれば、その時期から逆算してご自身の得意・不得意を考慮しながらおおまかにでも計画を立てましょう。

入試区分 出願時期 試験日 合格発表
社会人入試 9〜10月頃 10〜11月頃 11月頃
一般入試(前期) 11〜1月頃 1〜2月頃 2月頃
一般入試(後期) 2〜3月頃 3月頃 3月中旬頃

社会人入試はだいたい秋頃に行われることが多く、ここで合格することができれば入学準備や退職等の手続きに余裕を持って取り組むことができます。

ただし、社会人入試の募集枠は狭く募集人数を「若干名」としている学校も多いです。

私が受験した看護学校のように、そもそも社会人入試を行なっていない学校もあるため、受験校の入試情報を事前に確認しておきましょう。

また、後期の一般入試についても募集人数が非常に少なく、前期の一般入試枠までで募集人数が埋まってしまえば募集すらされないこともあります。合格の難易度が非常に高くなるため、社会人入試もしくは前期一般入試で合格できるように対策していきましょう。

受験対策のポイント

社会人受験生が知っておくべきポイントは、この6つです。

  1. 「国語」は必須かつ重要
  2. 「数学」は実は得点源になる
  3. 「社会人入試」のチャンスを活かす
  4. 「面接」対策も侮らない
  5.   予備校をうまく活用する
  6.   退職のタイミングを見極める

① 「国語」は必須かつ重要


一般入試となるとどの学校でもほぼ必須です。ただし、古文や漢文は出題範囲に含まず「国語総合」として現代文のみ出題される場合がほとんどですが、文章読解力や記述力は看護師の仕事(記録や報告)に直結するため重視されます。

出題範囲は「現代文のみ」と知って「なんだ、勉強しなくてもいけそうだな」と思った方は危険です!

「国語総合」とは、「漢字」「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「評論文や随筆・小説の読解問題」「医療・看護に関する文章の読解問題」など「総合」と名のつく試験だけあって現代文の中から幅広い問題が出題されるので、甘く考えずしっかり対策していきましょう。

② 「数学」は実は得点源になる


専門学校や短大では「数学I」までの範囲が多く、大学でも「数学IA」までが一般的です。

苦手と感じる社会人の方が多い科目ですが、その分しっかり基礎を固めれば得点源になるため他の受験生と差をつけることができます。

実際、私自身も数学が一番苦手だったため、受験勉強はまず数学の基礎の基礎から勉強しました。

③ 「社会人入試」のチャンスを活かす


多くの専門学校や一部の大学では、10〜11月頃に「社会人入試」が行われます。

学科試験が免除され、小論文と面接のみで受験できる学校も多いため、社会人経験をアピールする機会になります。

ただ、先ほども述べたように募集枠が少ないため、社会人入試に絞って受験しようと考えるのは危険です。
また、社会人入試の合否が分かってから一般入試の対策をしようとすると2ヶ月ほどの時間しかないため、最初からどちらも受験する前提で小論文対策と一般入試対策の勉強を同時に進めていくことをおすすめします。

④ 「面接」対策も侮らない

看護職は対人スキルやコミュニケーション力が重視される傾向にあるため、筆記試験が合格ラインであれば、最終的な合否は面接で決まると言っても過言ではありません。

一般入試では筆記試験と面接のどちらを重視されるか、どのくらいの比重で合否の判断をされるかは学校により異なりますが、社会人入試も受験しようと考えている方は面接対策はとても重要になります。

よく聞かれる質問としては

  1. 看護師の志望動機、志望理由
  2. 将来どんな看護師になりたいか?
  3. どんな現場で働きたいか?
  4. 学校卒業後の進路はどのように考えているか?
  5. 自分の長所、短所は?
  6. この学校を志望する理由は?

もちろん面接中の受け答えだけでなく、面接時の基本的なマナーや服装なども見られます。

現役の受験生であれば通っている学校の先生が相手となり面接の練習をすることもありますが、社会人受験生の場合は就職活動の面接などで経験のある方も多いと思います。

そういった方はご自身で自己分析に取り組み、面接で想定される質問に自分の言葉で答えられるように対策できれば独学でも合格は可能だと思います。

(実際に私も面接対策は自分一人で行いました。)

面接に不安のある方は身近な人にお願いしてしてみたり、必要に応じて予備校を利用するなども検討するといいでしょう。

⑤ 予備校をうまく活用する

看護学校合格を目指すにあたって必ずしも予備校に通うことは必須ではありません。

実際に私も予備校には通わずに合格することができました。もちろん、学力や勉強することに不安のある方は初めから予備校を利用すると心強いです。私が通っていた看護学校でも社会人から入学した人は8割くらいの人が受験勉強の際に予備校を利用していました。

《主要な看護受験予備校の授業料比較》

看護予備校には、1年かけて通う「通年コース」のほか、社会人が利用しやすい「単科受講」「オンラインコース」などがあります。

予備校名 特徴 年間授業料の目安
(全科目)
東京アカデミー 全国展開の大手。対面授業が充実。 約40〜60万円
新宿セミナー
(新セミ)
看護医療系に特化した老舗。 約50〜70万円
看護医療進学個別指導塾 個別指導で社会人のスケジュールに強い。 約60〜90万円
スタディサプリ
(国・数・英の基礎向け)
圧倒的やすさ。独学の補助に。 月額約2,000円

《予備校費用を抑えるためのポイント》
  • 「単科受講」を活用する

    全科目セットではなく「数学だけ」「小論文と面接対策だけ」といった苦手科目だけを受講すると、費用を約10〜20万円程度に抑えることができる
  • 「専門実践教育訓練給付金」をチェック

    一部の予備校や、入学後の看護学校自体の学費に対して、厚生労働省の給付金制度が利用できる場合があります。最大で70%戻ってくることもあるため、確認して損はないです。

    予備校や看護学校のホームページ等に記載されていることが多いです。
    (ちなみに私も看護学校の学費の7〜8割ほどを給付金でやりくりしました。その話は別のブログで詳しくまとめますね。)

  • 「夏期・冬期講習」のみ利用する

    普段は独学で学習し、直前期の対策や願書添削、面接対策のみ予備校の短期講習で受けるという使い方もできます。

過去の私と同じように、少しでも経済的負担を減らしながら受験勉強に臨みたいと考える方は、ご自身の苦手分野や学習レベルに応じて、賢く利用していきましょう!

⑥ 退職のタイミングを見極める

多くの企業では退職を申し出る場合、最低でも14日前〜1ヶ月前には申告する必要があると就業規則で定められています。働きながら看護学校合格を目指す場合、いつ退職するかを事前に考えておくとスムーズです。

私の場合は1月中旬にあった一般入試のみ受験する予定でした。
社会人入試と後期入試は予定されていなかったため、何がなんでも一般入試で合格する必要がありました。そのため仕事と受験勉強を並行しながらも、入試約1ヶ月前からは追い込んで勉強に集中できるよう夏頃には退職日を12月15日と決めて職場に申し出ました。

まとめ

社会人受験生は家庭がある方、仕事をしながら受験対策に臨む方も多いことから勉強時間の確保や勉強に集中できる環境を整え、効率よく勉強を進めていくことが重要です。

  • 入試スケジュールを把握する
  • ポイントを掴んで対策する

そして社会人受験生が知っておくべきポイントは

  1. 「国語」は必須かつ重要
  2. 「数学」は実は得点源になる
  3. 「社会人入試」のチャンスを活かす
  4. 「面接」対策も侮らない
  5.   予備校をうまく活用する
  6.   退職のタイミングを見極める

以上の6つのポイントを掴みながら、効率よく受験勉強を進めましょう!

今回の記事では、受験勉強を始めるにあたっての心構えになる部分をお伝えしました。
次回のブログでは、実際にどのように受験勉強を進めていくと良いか、私の体験談も交えてお伝えしていきたいと思います。

この記事が社会人から看護師を目指す方にとって、少しでも力になれれば幸いです。

ABOUT ME
Hana
事務職での社会人経験を経て、29歳で看護師に転身。看護師歴8年目。学費・勉強法・実習の乗り越え方、そして就職・転職のリアルな体験談を本音で綴ります。同じように看護師へのキャリアチェンジを考えている方の背中を押せたらうれしいです。